「自立タイプ」香織の物語

「自立タイプ」香織の物語

【呪いの仮面】…できる人「香織」

 

香織はしっかりした大人の女性だ。

 

職場での評判もいいし、友達からも頼りにされている。

 

でも、香織は最近悩んでいた。

 

それはひと言でいうと「いい男がいない」ということだ。

 

頼りがいのある男性は既婚者の場合が多いし、寄ってくるのは、どこか頼りない男が多い。甘えられてしまう。

 

そして、そんな男の姿を見るとうんざりするのだ。

 

実際、香織にはここ2年ほど恋人がいない。

 

職場の男性の同僚に「香織は男がいなくても生きていけるからね〜」とひどいことを言われたが、確かに自分でも、そうかな、と思ってしまうことがある。

 

でも、香織には最近彼氏がいない理由があった。

 

友達にもよくこう言っている。

 

「前の恋愛が、ずいぶんとこたえたんだよね〜」

 

そう、香織の前の恋愛は、こんな風にして終わったのだ。

 

「ごめん。最近仕事が忙しくて」

 

浩一は電話の向こうですまなそうに謝っている。

 

「わかった。仕事、うまく片づけてね」

 

そう言いながら、香織は正直、浩一にがっかりしていた。

 

仕事の段取りをしっかりつけて時間を作るのは、社会人として当然のはずだ。

 

それなのに、浩一は二回も連続でデートをキャンセルしてきたのだ。

 

(香織ちゃん、怒ってるだろうな。仕事の段取りの悪い僕が悪いんだけど……)

 

香織は会社でも仕事ができる、期待の社員だ。

 

いつも光り輝いている。

 

浩一は、こんな才色兼備の女性と交際できる自分は何て幸せなんだろうと感じている。

 

ただ、浩一は香織といると、息が詰まるというか、萎縮して言いたいことが言えなくなってしまう。

 

半月後

 

「香織ちゃん。今度の週末、少し休めそうなんだ。疲れてるからあんまりいろいろできないと思うけど、会ってくれないかな?」

 

(疲れているなら、仕事に目処をつけて休めばいいのに)

 

香織は心の中でそう思った。

 

「……うん。わかった。のんびりしよう。あ、○○においしいお店ができたんだって」

 

その週末、ふたりは流行りのデートスポットに現れた。

 

香織は楽しそうだったが、浩一は少し疲れている様子だ。

 

突然の告白

 

「別れてほしい」

 

浩一の突然の言葉に、香織は頭の中が真っ白になってしまった。

 

「どうして? 今まで楽しくやってきたじゃない?」

 

「いや、僕じゃ香織ちゃんに釣り合わないと思って……」

 

(何それ! 私か嫌いとかじゃなくて?)

 

でも、結局香織は、突然の別れ話を受け入れるしかなかった。

 

「僕じゃ釣り合わない」

 

という理由では、香織ができることは何もないから、どうしようもなかったのだ。

 

それに、本当は認めたくないが、確かに香織は浩一のことを自分よりも低く見ていたのだ。

 

「あ〜あ。頼れる男、いないかなあ」

 

その後、香織にはずっと彼氏ができない。

 

ただ、香織の心を煩わせるのは、彼氏ができないことよりも、むしろ頼りない男ばかり寄ってくることだ。

 

職場でも、オフの友人関係でも。

 

先日も、職場でこんなことがあった。

 

「香織先輩、ちょっとここがわからないんですけど、教えてもらえますか?」香織は後輩の男性社員から質問や助言を求められることが多い。

 

見てみると、職場にあるマニュアルを見ればわかるような初歩的な問題でつまずいている。

 

「マニュアルがあるでしよ? そこの○○の項目に詳しく説明してあるから、それを見たら大丈夫よ。要するに△△するってこと」

 

「はい。ありがとうございます。お忙しいところ、ご迷惑をおかけしてすみませんでした」

 

(迷惑をかけていると思うなら、ちゃんと勉強しておけばいいのに……)

 

大体いつも、こんな調子なのだ。

 

自分が、何か頼りない男を引き寄せるにおいでも出しているのだろうかと思うぐらい、依存的な男ばかり寄ってくる。

 

「もう誰か、何とかしてよ!」

 

「自立タイプ」の解説

 

香織は、「できる人」の仮面が外せなくなっています。

 

問題が起きたとしてもすぐ自分で全部何とかしようとしてしまうのです。

 

このタイプの人は、「頼ってはいけない」という気持ちが強いため、男性から親切や好意の印(食事やプレゼントなど)を受け取るのが苦手です。

 

そのため、女性の役に立ちたいと思っている「頼れるいい男」から見ると、とてもつまらなく見えてしまうのです。

 

「おまえは男が必要ないよな」と言われたり、男扱いされることすらあります。

 

そして、「頼れるいい男」が寄りつかないかわりに、「頼りない男性」ばかりが寄ってきます。

 

それでうまくいけばよいのですが、このタイプの人は人に頼ることを「いけないこと」として禁止しているため、頼りない男性の依存的な部分が非常に嫌なものに見えてしまうのです。

 

頼りない男性との不本意な関係を続けるか、男に頼らない、恋愛と無縁の人生を送るか……。

 

仕事では頼りにされることが多いだけに、このタイプの人は、まわりから「なぜ恋愛がうまくいかないんだろう」「なぜ彼がいないんだろう」
と不思議に思われることも多いようです。

 

あなたがこのタイプなら、少しがんばるのをやめて、自分の中にある弱い部分、人に頼りたい気持ちを否定せずに「そういう部分もあるんだね」と受けとめる心を育てましょう。

 

 

このタイプに自分が近いと思う方は「自立タイプはこんな人」に関するページをお読みください。