STEP3 統合する

STEP3 統合する

「呪いの仮面」と「シャドウ」を統合する〜センタリング〜

 

次に、今まで外せない「呪いの仮面」であったものを見つけて「シャドウ」と統合し、自分の意思で外せるようにする「センタリング」というワークをご紹介します。

 

「センタリング」とはゲシュタルト療法という心理療法の技法の用語で、「○○すべき」と頑なにこだわっている自分の心(呪いの仮面)と「それをするのは嫌だ」と思っている抑え込まれた自分の本心(シャドウ)とを統合し、葛藤を解消して、自分の意思で生きられるように成長することをいいます。

 

「呪いの仮面」を探そう

 

まず、「呪いの仮面」を見つけ出しましょう。

 

前項のワークで作った「相手シート」の「こんな人が嫌い」の欄をよく見てください。

 

そこにある項目のうち、●がついているものに注目してください。

 

そして、なぜ嫌いなのかについて考えてみましょう。

 

その際、あなたの中にある「○○でなければならない」「OOしなければいけない」「○○すべき」などの「ならない」「いけない」「べき」がつくルールがあるかどうか探してみてください。

 

たとえば、あなたが、「時間にルーズな人」が嫌いであれば、「約束の時間は守るべき」というルールを持っている可能性が高いですね。

 

あるいは、「思いやりのない人」が嫌いであれば、「他人を思いやらなければいけない」というルールがありそうですね。

 

他にも、「我慢ができない人」が嫌いという裹には「我慢しなければいけない」、「怒る人が嫌い」という裹には「怒ってはいけない」、「自分勝手な人」が嫌いという裏には「他人に合わせなければいけない」というように、嫌いな人というのは、あなたが心の中に持っている「人はこうあらねばならない」というルールを破っている人の可能性が高いのです。

 

言い換えると、あなたが自分の中にルールを持っているから、嫌いな人(ルールを破る人)が現れるということなのです。

 

実はこのルールこそが、「呪いの仮面」なのです。

 

「呪いの仮面」を外す呪文を唱えよう

 

実は、「呪いの仮面」になっているルールの中には、自分ではなく、親の意思で作られたものがたくさんあります。

 

小さい頃に親に「約束の時間は守りなさい」と言われてそのまま鵜呑みにした、というようなケースが典型です。

 

そのルールがずっと心の中で生きていて、親元を離れても、さらに親が亡くなっても、それに従い続けてしまっているわけです。

 

しかし、親から受け継いだルールは、ある時期に整理して、採用すべきルールを自分の意思で選び直すことが大切なのです。

 

「自分の意思とは何か?」ということを真剣に考え始めると、夜も眠れなくなってしまいますので、ここでは簡単に、「OOしたい」「OOでありたい」のように「したい」「ありたい」がつくものが「自分の意思」と考えてください。

 

「したくない」「ありたくない」という否定の形も、自分の意思です。

 

では、自分の意思ではないものは何かというと、「○○しなければいけない」のように、「いけない」「ならない」「べき」がつくものです。

 

「約束の時間を守る」を例に挙げて説明します。

 

「約束の時間を守らなければならない」というのは誰の意思でしょうか?

 

考えてみると、誰の意思なのか、誰の希望なのかよくわからない言葉です。

 

親に「早くしなさい」「時間通りに行動しなさい」と言われて育った人にとっては「親」の意思かもしれませんし、「世間」「社会」「神様」の意思のように感じているかもしれません。

 

先ほど説明した、「自分の意思で採用すべきルールを選択して生きることが大切」という原則からすると、「いけない」「ならない」「べき」がつくルールに従っていると、自分で決めていても誰かに決められている、という感じがします。

 

そこで、誰の意思かわからないものは、思い切って自分の意思の言葉に替えてしまうのです。今の例でいえば、「私は約束の時間を守りたい」というように。

 

さらに、この形にした後に「なぜなら……」と続けてみます。

 

「私は約束の時間を守りたい。なぜなら……」と。

 

そして、呪文のように唱えるのです。

 

「呪いの仮面」を外す呪文@

 

  • 『私は+(ルール)+したい。なぜなら……』

 

この後に続く言葉は、「相手の時間を大切にしたいから」「相手に嫌な思いをさせたくないから」「気持ちよくふたりの時間を過ごしたいから」などがくると思います。

 

これは、相手の気持ちを思いやった、愛情の言葉です。

 

私たちは、親からいろいろなしつけをされて、生きていくためのルールを学びます。

 

「あいさつをしなさい」「お礼を言いなさい」など。

 

そして、そのほとんどは「いけない」「ならない」「べき」の形で心に刻まれています。

 

しかし、こういったルールのほとんどは、誰かの幸せのために必要なものなのです。

 

ですから、自分の意思として取り込み、愛情の言葉で表現し直すことができるのです。

 

「私は他人を思いやりたい。なぜなら……(その人の笑顔を見たらうれしいから)」

 

「私は笑顔でいたい。なぜなら……(相手に気持ちよく過ごしてほしいから)」

 

「私は自分のことが自分でできる人でありたい。なぜなら……(相手に自由な時間を過ごしてほしいから)」

 

このように愛情を基本とした自分の意思に置き換えることによって、「私は人に思いやりのある人間になりたい」でも、「今は本当に疲れていてそれを実行する自信がない」(=自分の心と身体に休養を与えたい)という感じで、状況によって自分の意思で別の選択をすることができるようになります。

 

こうなれば、もはや「呪い」ではありません。

 

必要なときに「他人を思いやる」というルールを守ることもできるし、不要なときはやめられるようになっています。

 

私は一時期、自分の持っているルールを発見する度に、「私は○○したい。なぜなら……」という言い換えをやったことがあります。

 

その結果、「あ、そうか。親から『押しつけ』られたように感じていたけれど、愛情のある『しつけ』だったんだ」と気づくことができました。

 

それ以降、自分の意思でルールを守ったり、やめたりと、選択できるようになりました。

 

私たちは、心の中に「他人を思いやらなければいけない」というようなルールを持つたまま、それに気づかずに生きています。

 

このような、「気づいていないけれど、心の中にあるルール」に人間は意外と振り回されてしまうのです。

 

ですから、しっかり意識化して、「○○したい」という自分の意思の形に直しておくことが大切です。

 

なお、ルールが「してはいけない」「してはならない」「すべきでない」などの否定形の場合は、「○○したくない」という呪文を使ってください。

 

「呪いの仮面」を外す呪文A

 

  • 『私は+(ルール)+したくない。なぜなら……』

 

それでも「呪いの仮面」が外れない場合は

 

ここまでは、うまく愛情の言葉に直せる例ばかり挙げてきました。

 

しかし、実際にやってみると、愛情の言葉に直せないものがたくさん出てくることに気づきます。

 

実は、この気づきがこのワークで一番大事なポイントなのです。

 

例を挙げて説明します。

 

「(人は)我慢しなければならない」というルールを持っていることに気づいたとします。

 

これを呪文@に当てはめてみます。

 

「私は我慢したい。なぜなら……」

 

さて、なぜ私は我慢したいのでしょう? そうです。実は、我慢したくないのに我慢していたのです。

 

もちろん、遊びたいのを我慢して勉強して、資格を取ったら転職ができる(=自分の幸せのため)というのなら「我慢したい」というよりは「一時的に我慢して、もっと大きな幸せを得たい」という意味になるでしょうし、少し我慢しても、恋人が喜んでくれたらそれがうれしいという、愛情のための我慢もあるでしょう。

 

それは、白分や他人の幸せのためにやっていることですからいいのです。

 

しかし、無意味な我慢ぐせがついていることも多いのです。

 

他にも、「どんなときも言いたいことを言ってはいけない」というルールが染みついていたり、「何が何でも時間を厳守しなければならない」というルールがあったり、「絶対怒ってはいけない」などと信じていたりすることがとても多いのです。

 

つまり、かぶりたくない仮面をかぶって、しかも外せなくなっているわけです。

 

このような、強力な「呪いの仮面」を発見した場合、次の「リフレーミング」のワークに取り組んで、まずは半分だけ仮面を外すことに挑戦してみてください。

 

それだけでも、婚活や恋愛や人間関係がずっと楽になります。

 

 

「」につづく